SNS、Web集客の前に行う1つのこと:ChatGPTを活用してお客様像と購買行動を想定する

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自社サイトを活用したい!・SNSを活用したい!

という一声で事業者様からご相談を頂くことがあります。
事業者様は事業拡大に意欲十分なことが多く、私もぜひ後押ししたいと思います。

ただ、集客メディアに手を付ける前に、1つだけ実施してもらいたいことがあります。
お客様の像と購買行動を想像してみることです。

SNS・Web集客にありがちな悩み

やるぞ!と意気揚々になったものの、出だしでさっそく頭を抱えてしまうことって何事にもありますよね。Web集客においてもこれは例外ではありません。
よくある悩みは次のようなものです。

どんなメディアを選べばいいの?

ひとくちにWeb集客といっても多様なメディアがあり、その選び方はその事業の目的やターゲットによって大きく異なります。

例えば、若者をターゲットにしているならば、InstagramやTikTokのようなSNSが効果的ですが、ビジネス向けの製品であればLinkedInや専門性の高いブログが適しているかもしれません。飲食店であれば口コミサイトやGoogleビジネスプロフィールへの登録は必須です。

どんなお客様を対象にするかで効果的なメディアは変わってきます。

どんなコンテンツを発信しよう?

とりあえずWebサイトとInstagramアカウントを立ち上げてみた!となっても安心できません。
お金をかけて広告を打つのでなければ、集客のためには継続的なコンテンツ掲載が不可欠だからです。
ここで悩んでしまうのが、どんなコンテンツを掲載すればよいかです。

Webサイトであればブログ記事を定期的に掲載して検索エンジンと潜在顧客にアピールしていかなければなりません。しかし、どんな記事を上げれば効果的なのか分からない。手間をかけて無駄な記事を書いてしまったら?という不安が二の足を踏ませます。

SNS投稿にしても悩みは同様です。
こんな投稿でいいんだろうか?
と一度悩みはじめるとどんどん深みにはまってしまう。そんなことが多々あります。

悩みが生まれるのは、お客様をきちんと想定できていないから

多くの場合、悩みが生じる本質的な原因は、メッセージを届けたいお客様が明確でないことにあります。

当社はどんなお客様にメッセージを届けるべきか。お客様は普段どのように生活し、情報を得ているか。当社はどうやって接点を持ち集客に繋げられそうか。

…こういったイメージをしっかり持てていれば、「お客様はこうだから」という考えのもとに注力すべきメディアや発信するメッセージ、そのタイミングまでも自ずと決まってきます。集客ストーリーを自然と描けるようになるのです。

お客様の視点から集客ストーリーを想像する

具体的にお客様の像と購買行動を想定するにはどうすればいいか。

本質論で言えば方法に拘る必要はありません。日々お客様に接している事業者様はそこから想像を膨らませていけばいいのです。

ただ、マーケティングの定石に従えば客観的な視点で顧客像を捉えなおすことも可能です。ここではペルソナとカスタマージャーニーという枠組みを紹介します。

ペルソナとカスタマージャーニー

ペルソナは理想的な顧客像を具体的に描いたキャラクターです。
カスタマージャーニーは顧客が商品やサービスを知り、購入に至るまでのプロセスを示したものです。

例えば新橋のオフィス街でラーメン屋を営んでいるとします。コロナ禍が明け、新橋の街に戻ってきたオフィスワーカー達を迎え入れるために、ペルソナとカスタマージャーニーを考えてみます。

ペルソナ

属性詳細
名前田中一郎
年齢35歳
職業オフィスワーカー(商社勤務)
性別男性
婚姻状況未婚
収入約600万円
居住地東京都内(一人暮らし)
ライフスタイル出社時はほぼ毎日外食をする。
生活が苦しいわけでは無いが出費はなるべく抑えたい。
趣味・関心事新しいグルメスポットの探索
購買動機①ランチ定時内に完了する速さ ②コスパ感 ③味の良さ
メディア利用傾向Twitter、Instagramで飲食店情報をチェック

カスタマージャーニー

ステージ顧客の行動マーケティング策
認知SNSや口コミサイトで店舗を知る店舗の魅力的な画像と情報をSNSに投稿
興味・関心店舗のメニューや価格をオンラインで調べる公式サイトやSNSでメニューと特別キャンペーンを紹介
検討訪問する時間や同僚との訪問を検討ランチタイムのスピードサービスやグループ割引を宣伝
購入店舗を訪問し、ラーメンを注文高速で質の高いサービスを提供
経験食事の味とサービスを評価アンケートを実施し、フィードバックを求める
再訪再訪するリピーター向け特典や紹介キャンペーンを提供

このように、お客様の像とその購買行動を、枠組みに沿って想定しておくと取るべきアクションが決まってきます。

例えば認知度を高め新規顧客を増やしたいときは、たくさんの田中一郎さんが気付いてくれるようにSNSや口コミサイトに登録し、定期的な投稿を行います。田中さんの気持ちに寄り添い、サラリーマンのランチ利用が多いことや、提供価格をアピールすると目を引くでしょう。

なお例示したペルソナの「属性」やカスタマージャーニーの「ステージ」は一例になります。
カスタマージャーニーで言えば「検討」でなく「類似品比較」が発生したり、「経験」のあとに「知人に共有」が来るかもしれません。経験も混ぜ込みながらアレンジしてみてください。

ChatGPTを活用しよう

顧客像を想像する、とは言うは易しですが実際はなかなか疲れる作業です。

普段接しているお客様のことを思い浮かべながらある程度は想像できるかもしれませんが、彼彼女らがどんなライフスタイルを持っていて、普段どんなメディアに触れて情報を入手するかといったことまで考え出すと途端に難しくなります。自分の思い込みによって実際の顧客層を歪めてしまうリスクも。

自分が普段接しているお客様像を織り込みつつ、より客観的な顧客像に厚みを持たせていく簡単な手法は無いものか。

この悩みへの解決策としてChatGPTの活用をお勧めします。

以下に指示文案と回答例を載せますので参考にしてみてください。

ChatGPT(無料版)への指示文案

当社のターゲット顧客像を踏まえてP1・P2を実行してください。
P1:ペルソナを表形式で出力ください。項目:[特性][詳細]
P2:カスタマージャーニーを表形式で出力ください。項目:[各行動段階][顧客の行動][ビジネス上の対応策]

#当社
・さっぱりめの塩ラーメン屋
・新橋のオフィス街に立地
・競合店として近隣にこってり目の中華料理屋がある

#ターゲット顧客像
・新橋に勤務する女性
・同僚数人と一緒にランチを取る

ChatGPTからの回答

特性詳細
名前田中亜美子
年齢35歳
性別女性
職業オフィスワーカー
住所新橋
趣味・関心事ランチを通じた交流
ラーメン好みさっぱりめが好み
インターネット利用頻繁
各行動段階顧客の行動ビジネス上の対応策
意識段階新橋のオフィス街で塩ラーメン屋の存在を知る店舗周辺やオフィス街での広告やイベントを通じて認知度を高める。
関与段階オフィス仲間と一緒にランチの場所を相談するグループ向けの特別メニューやランチセットを提供する。
評価段階健康的な塩ラーメンや店舗の利便性を評価ランチタイムの混雑対策として予約システムや待ち時間の最適化を行う。
購入段階仲間と一緒に塩ラーメンを注文グループ向けのスペースを提供し、注文の迅速な処理を心がける。
忠誠度段階仲間との楽しいランチ体験に満足し、リピートするグループ割引やリピーター向けの特典を提供し、再訪を促進する。

ChatGPTの回答を活かす

上述の例はいかがでしょうか。
浅いと思われたかもしれませんし、下書きとしては十分かなと思われたかもしれません。

一つ強調したい点としては、ChatGPTの出力は完成品ではなく、飽くまで検討の叩き台やアイデア出しに利用してほしいということです。

田中亜美子さんは普段どんなSNSを好むだろう、といった追加指示を与えながら像に厚みを出してもいいですし、事業者としての経験からカスタマージャーニーを書き換えても構いません。

お客様の視点から集客ストーリーを考えていく

本記事では集客の前にお客様の像と行動を想定する方法をご紹介しました。
面倒ですが、これによってお客様の視点から集客ストーリーを考えることが出来るようになり、Web・SNS集客で取るべきアクションも定まっていきます。

どんなメディアを使うべきか迷ったら顧客行動のメモに立ち返り、ペルソナのライフスタイルや情報収集源から効果的なものを考えましょう。

どんな記事を書くべきか迷ったら顧客像に立ち返り、ライフスタイルや年齢、嗜好などから効果的なものを考えましょう。

本記事で紹介したペルソナ・カスタマージャーニーなどの枠組みやChatGPTを使うことで手間を省きながら行うことが出来ますので、ぜひお試しください。

最後に、お客様の像と行動を想定するメリットについてご紹介し、結びとさせていただきます。

媒体選びやコンテンツ作りに指針を与えてくれる

お客様の像と行動を想定しておくことで、どの媒体が最適か、どのようなメッセージが響くかが自然と見えてきます。

買い手の目線で気付きを得られる

マーケティング活動全般においてお客様の視点を持つことは非常に重要です。
同時に、事業者の視点や思い込みを排してこれを行うのはとても難しいことも事実です。
一旦目の前の仕事やお客様から離れ、枠組みやChatGPTの助けも得ながらお客様について考え直すことで、新しい気付きが期待できます。

思った集客効果が出なかったときに見直す土台が出来る

もし予想した通りの効果が得られなかった場合に、自身が想定していたお客様の像と行動を見直すことで、問題点を洗い出し、改善策を練ることができます。失敗を次回に活かし、継続改善するサイクルを始めることができます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
Webマーケティング研究会ではWeb集客の支援を行っておりますのでお気軽にお問合せ下さい。

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文責:Webマーケティング研究会 経済産業大臣認定 中小企業診断士 皆川拓己