中小企業のためのSNS利用法「炎上さしすせそ」

SNS

こんにちは、WEBマーケティング研究会・中小企業診断士の森本です。


SNSは中小企業にとって、顧客との直接的なコミュニケーションを図るための重要なツールですが、その利用には炎上のリスクが常につきまといます。特に中小企業では、炎上が企業の信用やブランドイメージに大きなダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。
そこで、「炎上さしすせそ」というフレーズを活用し、SNSでのリスクを最小限に抑える方法を紹介します。


「炎上さしすせそ」とは?
「一般社団法人SNSエキスパート協会」が提唱する、SNS上での炎上を避けるために注意すべき5つのポイントを示すフレーズです。それぞれの頭文字は、炎上につながりやすいリスク要因を指しています。


さ:差別、災害
まず、「さ」は「差別」と「災害」を指します。
SNS上での差別的な発言や、特定の人種、性別、宗教に対する偏見は、即座に炎上につながります。これは、企業としての社会的責任を問われる深刻な問題となり得ます。
また、災害時に不適切な発言や、デマの拡散などは企業の信頼を著しく損なうリスクがあります。災害に関する情報は特にセンシティブであり、発信内容には十分な注意が必要です。


し:思想、宗教
「し」は「思想」と「宗教」です。
企業の公式アカウントが特定の思想や宗教に偏った発信を行うことは、非常にリスキーです。SNSは広範囲にわたる多様な受け手が存在するため、一部の顧客層を疎外するような発信は避けるべきです。例えば、政治的な主張や宗教的な価値観に関する発信は、企業の立場が中立でないと受け取られる可能性があり、炎上の原因となり得ます。


す:スキャンダル、スポーツ
「す」は「スキャンダル」と「スポーツ」を意味します。
芸能人や他社のスキャンダルに触れることは、誤解を招き、無用なトラブルを引き寄せる可能性があります。また、スポーツに関する発信も、特定のチームや選手への偏った応援や批判は避けるべきです。スポーツファンの間では感情が高ぶることが多く、軽率な発言が大きな反発を招くことがあります。中立的で建設的な発信を心がけましょう。


せ:セクシュアリティ、政治
「せ」は「セクシュアリティ」と「政治」を指します。
性的指向やジェンダーに関する話題は非常にセンシティブです。誤解を招く発言や不適切なコメントは、企業の信頼を一瞬で失わせるリスクがあります。さらに、政治的な発言は、顧客層を二分する危険性があります。企業アカウントでは、政治的に中立を保ち、顧客全体に向けたメッセージを発信することが重要です。


そ:操作ミス
最後に、「そ」は「操作ミス」です。
操作ミスによる投稿内容の誤りや、意図せず投稿してしまった情報は、炎上の原因になります。例えば、個人のアカウントと企業アカウントを誤って切り替えずに投稿したり、投稿スケジュールの設定ミスが炎上を引き起こすことがあります。こうしたミスを防ぐためには、SNS管理ツールを活用し、投稿前に必ず内容を確認するプロセスを設けることが大切です。


炎上を防ぐための具体的な対策
SNSでの炎上を防ぐためには、事前に適切な対策を講じることが不可欠です。以下の対策を導入することで、炎上リスクを最小限に抑えることができます。

  1. 投稿内容の確認
    SNSの投稿前に内容を複数の視点で確認し、リスクを未然に防ぐ体制を整えましょう。複数人でのチェックは、意図しない誤解やリスクを減らすのに有効です。
  2. リテラシー教育
    従業員がSNSリテラシーを理解し、適切な発信ができるようにするための教育が必要です。企業としての一貫性を保つためにも、全員が同じ基準でSNSを利用できるようにしましょう。
  3. 専門家の活用
    SNSの運用に不安がある場合、SNSマーケティングの専門家に相談するのも一つの手です。プロの視点からアドバイスを受けることで、リスクを的確に把握し、適切な対策を講じることができます。
    適切なリスク管理の重要性
    SNSは、うまく活用すれば中小企業にとって大きなビジネスチャンスを提供しますが、その運用には慎重さが求められます。
    「炎上さしすせそ」を意識し、リスク管理を徹底することで、企業の信頼を守りつつ、効果的なマーケティングを行いましょう。
    企業アカウントの発信は、その企業の顔であり、社会的な責任が伴うことを理解して慎重に取り組むことが重要です。