小規模事業者持続化補助金を活用したWEB集客シリーズ
小規模事業者持続化補助金は、採択されてから使い道を考えるものではありません。
補助金を活用すると決めた段階から、自社の経営戦略、マーケティング戦略、WEB戦略を考えておくことが重要です。
このシリーズでは、補助金を「もらうだけ」で終わらせず、経営改善と新規顧客の獲得につなげるための考え方を3つのステップで解説しています。
第1章|補助金を何のために使うのかを考える
→「小規模事業者持続化補助金を『もらうだけ』で終わらせない。採択後の売上につなげる経営戦略とは」
第2章|採択前から最初の90日間を設計する
→「小規模事業者持続化補助金を活用する中小企業が、最初の90日間でやるべきこと」
第3章|成功事例からWEB集客の戦略を学ぶ
→「小規模事業者持続化補助金から始める経営改革|成功事例に学ぶWEB集客5つの戦略」【この記事】
「小規模事業者持続化補助金を活用して、ホームページを作りたい」
「補助金を使ってWEB集客を始めたい」
「せっかく取り組むなら、問い合わせや売上につなげたい」
小規模事業者持続化補助金を活用する際、このように考える経営者の方は多いのではないでしょうか。
しかし、ここで一度考えておきたいことがあります。
補助金を活用してホームページを作ることと、WEB集客で成果を出すことは、同じではありません。
ホームページを新しくしただけでは、顧客が自動的に増えるわけではありません。
大切なのは、補助金をきっかけとして、
- ・自社にはどのような強みがあるのか
- ・誰を顧客にしたいのか
- ・顧客は何に困っているのか
- ・どのように自社の価値を伝えるのか
- ・WEBをどのような顧客接点として活用するのか
を考えることです。
つまり、
補助金 → ホームページ制作
ではなく、
補助金 → 経営戦略 → マーケティング戦略 → WEB戦略 → 実行 → 改善 → 成果
という流れで考えることが重要です。
今回は、実際にWEB集客で成果を上げたある老舗製造卸企業の取り組みを参考に、補助金をきっかけにWEB集客を始める中小企業が学びたい、5つの戦略を解説します。
目次
1.補助金は「ホームページを作るため」だけに使わない
小規模事業者持続化補助金を活用するとき、
「ホームページを新しくしたい」
というところから考え始めることは自然です。
しかし、ホームページ制作そのものを目的にしてしまうと、
ホームページは新しくなった。
でも、問い合わせが増えない。
という結果になりかねません。
なぜでしょうか。
それは、ホームページはWEB集客の「手段」であって、「目的」ではないからです。
WEB集客を考える前に、
- ・どのような顧客を獲得したいのか
- ・その顧客はどのような課題を抱えているのか
- ・自社にはどのような強みがあるのか
- ・競合ではなく、自社を選ぶ理由は何なのか
- ・顧客はGoogleで何を検索するのか
- ・問い合わせを受けた後、どのように商談につなげるのか
を考える必要があります。
だからこそ、補助金を活用するときは、
「何を作るか」より先に「何を実現したいのか」を考える。
これが重要です。
2.ある老舗製造卸企業がWEB集客に取り組んだ理由
ここで、実際の取り組みを見てみましょう。
ある老舗製造卸企業は、創業70年を超え、長年にわたって専門性の高い事業を続けてきました。
一方で、主要取引先の海外シフトや国内協力工場の廃業など、事業環境には変化が生じていました。
また、卸売という事業構造上、
「自社の商品が最終的にどのように使われているのか分からない」
という課題も抱えていました。
さらに、WEB集客を進めようとしても、社内にWEB担当者はいませんでした。
そこで取り組んだのが、特別に大きな広告費をかける方法ではありません。
具体的には、
- ・専門知識をブログ記事として発信する
- ・ニッチなキーワードを狙う
- ・社長自身の実験や体験を記事化する
- ・月1回の定例会でアクセスを分析する
- ・広告費に依存しない集客を目指す
という取り組みです。
その結果、WEBサイトへのアクセス数は3.6倍に増加。
さらに、
- ・異業種からの新規問い合わせ
- ・これまで想定していなかった用途での商談
- ・広告費ゼロでの継続的な問い合わせ
につながりました。
この事例から重要なことが分かります。
WEBサイトを作ったから成果が出たのではありません。
自社の専門性を顧客の検索ニーズと結び付け、情報を発信し、データを見ながら改善する仕組みを作ったことが、成果につながっています。
では、そのポイントを5つに分けて見ていきます。
3.戦略① 大きなキーワードではなく「ニッチな検索」を狙う
WEB集客を始めると、
「検索数の多いキーワードで上位表示したい」
と考えがちです。
しかし、中小企業にとって、それが必ずしも最適とは限りません。
検索数が多いキーワードは、当然ながら競合も多くなります。
例えば、
「製造業」
「ホームページ制作」
「SEO」
といった大きなキーワードは、多くの企業が狙っています。
一方、具体的でニッチな検索には別の可能性があります。
資料では、ロングテールキーワードには、
- ・競合が少ない
- ・上位表示しやすい
- ・検索意図が明確
- ・成約につながりやすい
という特徴が整理されています。
例えば、
「○○素材 特殊加工 小ロット」
のように、顧客が具体的な課題を抱えて検索する言葉です。
重要なのは、
「何人が検索するか」だけを見るのではなく、「その検索をしている人が顧客になり得るか」を考えること。
中小企業の場合、大量のアクセスを集めることよりも、
自社の商品・サービスを必要としている人に見つけてもらうこと
の方が重要なケースがあります。
4.戦略② 自社の専門知識をコンテンツに変える
中小企業には、大企業にはない強みがあります。
それは、
長年の現場で蓄積された専門知識です。
しかし、その知識がWEB上に出ていない企業は少なくありません。
例えば、
- ・顧客からよく質問されること
- ・商品を選ぶときの注意点
- ・業界では常識だが一般には知られていないこと
- ・現場で起きやすい失敗
- ・商品・サービスを比較するときの判断基準
- ・実際のトラブルと解決方法
こうした情報は、専門家にとっては「当たり前」でも、顧客にとっては非常に価値があります。
実際の成功事例でも、専門知識をブログ記事として発信することが重要な取り組みになっていました。
つまり、
社内では当たり前の知識
↓
顧客にとって役立つ情報
↓
Googleで検索されるコンテンツ
へと変換するのです。
これは、中小企業がWEB集客を行ううえで大きな武器になります。
5.戦略③ 社長自身の経験・体験を情報資産にする
ここは、AIが普及した現在だからこそ、さらに重要になっています。
AIを使えば、一般的な情報を整理して文章にすることは簡単になりました。
だからこそ価値が高まっているのが、
「実際に経験したこと」
です。
成功事例では、社長自身が行った実験や体験を記事として記録する取り組みも行われています。
Googleが重視するE-E-A-Tの「Experience(経験)」について、実際にやってみた体験談が重要であり、社長自身の実験を記事化することが強みになると整理されています。
例えば、
「この方法がおすすめです」
と一般論を書くのではなく、
「実際に当社で試してみたところ、こうなりました」
と書く。
さらに、
「最初はこういう問題が起きました。しかし、○○を変更すると改善しました」
まで伝える。
そこには、企業自身が持つ一次情報があります。
これは、長年事業を続けてきた中小企業ほど持っている資産です。
6.戦略④ 「作って終わり」にせず、データを見て改善する
WEB集客でよくあるのが、
ホームページを作る
↓
ブログを書く
↓
終わる
というパターンです。
しかし、WEB集客は公開してからが本番です。
成功事例では、月1回の定例会でアクセス分析を行うという取り組みが行われていました。
これは、
記事を書く
↓
アクセスを見る
↓
読まれているテーマを知る
↓
次のコンテンツを考える
という循環を作るということです。
最初から完璧な戦略を作る必要はありません。
むしろ、
仮説 → 実行 → データ → 改善
という仕組みを会社の中に作ることが重要です。
7.戦略⑤ SEO・広告などを目的に応じて使い分ける
成功事例では、広告費ゼロで継続的な問い合わせにつながっています。
ただし、
「広告は必要ない」
という意味ではありません。
重要なのは、
広告とSEOのどちらが正しいかではなく、自社の目的に対して何を組み合わせるか
です。
例えば、SEOは、
- ・専門性の高い商品・サービス
- ・顧客がGoogleで情報収集する
- ・長期的に集客資産を作りたい
- ・ニッチな検索ニーズがある
といった企業と相性があります。
一方で広告は、
- ・短期間でアクセスを集めたい
- ・新商品を早く認知させたい
- ・特定地域に集中的に届けたい
- ・SEOの成果が出るまでの期間を補いたい
といった場合に有効です。
さらに地域密着型の企業であれば、Googleマップ対策なども選択肢になります。
大切なのは、
「自社の顧客は、どこで情報を探しているのか」
から逆算することです。
8.5つの戦略を一本につなげる
ここまでの5つを整理すると、次のようになります。
| 戦略 | やること |
| ① ニッチな検索を狙う | 顧客が実際に検索する具体的なテーマを探す |
| ② 専門知識を発信する | 社内にある知識を顧客向けコンテンツに変える |
| ③ 経験を発信する | 社長・社員の実体験や事例を情報資産にする |
| ④ データで改善する | アクセスや問い合わせを分析し、次の施策につなげる |
| ⑤ 施策を使い分ける | SEO・広告・MEOなどを目的と予算に応じて組み合わせる |
これを一つの流れにすると、
顧客を知る
↓
検索ニーズを見つける
↓
自社の専門性をコンテンツにする
↓
経験・事例を加える
↓
WEBで発信する
↓
データを見る
↓
改善する
↓
問い合わせにつなげる
という循環になります。
これこそが、
「ホームページを作る」ことと「WEB集客の仕組みを作る」ことの違い
です。
9.補助金の本当の価値は「経営を変えるきっかけ」にある
ここまで読んでいただいたところで、もう一度、小規模事業者持続化補助金について考えてみます。
補助金を、
「ホームページを安く作るためのお金」
と考えるのか。
それとも、
「自社の経営を見直し、新しい顧客を獲得する仕組みを作るきっかけ」
と考えるのか。
この違いは大きいのではないでしょうか。
補助金の事業期間が終われば、補助金による取り組みも終わってしまう。
これでは、本当の意味で会社の力になったとは言いにくいでしょう。
一方、
経営戦略を考える
↓
誰を顧客にするか決める
↓
マーケティング戦略を考える
↓
WEBでどう接点を作るか決める
↓
実行する
↓
データを見て改善する
という仕組みが会社に残れば、補助事業が終わった後も取り組みを続けられます。
実際の成功事例でも、WEB集客によってアクセス数が3.6倍になっただけではありません。
異業種からの問い合わせや、従来想定していなかった用途での商談が生まれ、広告費ゼロで継続的な問い合わせにつながりました。
さらに、長年培ってきた技術が「まだ社会から必要とされている」という実感につながったことも、この取り組みの大きな意味として示されています。
つまり、WEB集客は単にアクセス数を増やすための施策ではありません。
自社が持っている価値を、新しい顧客に発見してもらうための仕組みでもあるのです。
10.まとめ――補助金を「経営を変えるきっかけ」にする
小規模事業者持続化補助金を活用してWEB集客に取り組むなら、
「何を作るか」から考えないこと。
まず、
「何を実現したいのか」
から考えることが大切です。
そして、
- ニッチな検索ニーズを見つける
- 自社の専門知識をコンテンツにする
- 社長・社員の経験を情報資産にする
- データを見ながら改善する
- SEO・広告などを目的に応じて使い分ける
この5つを一つの仕組みにしていきます。
WEB集客は、ホームページを作って終わるものではありません。
経営を考え、顧客を考え、伝え方を考え、実行し、結果を見て、また考える。
その繰り返しです。
だからこそ、小規模事業者持続化補助金は、単に「何かを購入するための制度」として捉えるのではなく、
会社のこれからを考え直すきっかけ
として活用することに意味があります。
そして、補助金をきっかけに始めた経営改革を、WEB集客という具体的な仕組みに落とし込み、継続的な問い合わせや売上につなげていく。
そこまで考えて初めて、補助金を「もらうだけ」で終わらせない取り組みになるのではないでしょうか。
東京WEB集客パートナーズが考えるWEB集客
WEB集客で重要なのは、いきなりホームページやSEOの話を始めることではありません。
経営における課題を整理し、経営戦略を考え、その上でマーケティング戦略、WEB集客戦略へ落とし込むこと。
東京WEB集客パートナーズでは、WEBだけを見るのではなく、
経営 → マーケティング → WEB
という順番から、企業ごとの集客戦略を考えます。
「ホームページを作っただけで終わらせたくない」
「補助金をきっかけに、会社の売り方そのものを見直したい」
「自社の強みを活かして、新しい顧客を獲得したい」
そう考えている中小企業経営者の方は、ぜひご相談ください。
東京WEB集客パートナーズでは、全員が中小企業診断士の資格を持つ専門家チームが、WEB集客の戦略立案からマーケティング支援、各種補助金を活用したWEBサイト制作・改善のご相談まで幅広くサポートしております。(※ご相談後に強引な営業電話や訪問営業を行うことは倫理規定に基づき一切ございません。安心してご利用ください)


